こんにちは、柳澤です。
今日は、彦坂直人九段が中心の研究会が行われています。
若手棋士や院生たちが、一人ずつ自分の最近打った碁を並べて、
彦坂九段に講評してもらいます。
この研究会は、最初2,3人でやっていました。
今では、彦坂九段の快刀乱麻を断つ講評を慕い、
若手や院生がずいぶん集まるようになりました。
今、並べているのは鶴田二段。
正面にいるのが彦坂九段、志田六段、中野九段。
基本、彦坂九段の講評がメインですが、もちろん他の棋士も参戦します。
彦坂九段と全く異なる囲碁観を持つのが、中野九段。
中野九段 「こうしたらどうですか?」
彦坂九段 「イヤ、それはないだろ」
中野九段 「ええー?そうですかぁ?」
みたいに真っ向からぶつかることが、しょっちゅうあります。
中野九段、自説を述べる
↓
彦坂九段に一刀両断される
↓
中野九段、図を作って粘る
↓
また彦坂九段に言葉で一蹴される
↓
両先生のやりとりがあまりに面白いので、若手が吹き出す
この流れが何回繰り返されたかわかりません。
部分的な手どころでは、読みの強い伊田四段。
伊田四段 「そこはツケコシでわかりやすく取れてるんじゃないですか?」
彦坂九段 「おお、なるほど。・・・というかお前、そんなところからしゃべってないで、近くに来いよ」
伊田四段 「あ・・・」 (とニコニコして、行かない)
難しい局面で、信頼されている志田六段。
彦坂九段 「これは難しいな。どうだ、志田?」
志田六段 「・・・・・・・・・」
彦坂九段 「お前も、たまには何か教えてくれよ(笑)」
志田六段 「・・・・・・・・・」
このように、それぞれが持ち味を発揮しつつ、検討が進みます。
彦坂九段は、遠目には近寄りがたい雰囲気ですが、
実際はめちゃめちゃ優しい先生です。
そのあたりのエピソードも、
また次回お話したいと思います。