プロ棋士が対局後、ほぼ100%やること、それは・・・
検討。(感想戦ともいいます)
木曜日は、棋士の対局日。
朝10時に始まった対局も、18時頃には大体終わってきます。
この時間帯の棋士たちの様子に、スポットライトを当ててみました。
日本棋院中部総本部2Fロビーでは、その日最も注目の対局が観戦できる、モニターが設置されています。
この日(5月30日)は、羽根直樹九段VS清成哲也九段の王座戦本戦。
すでに対局は終了し、検討の模様が映し出されています。
ちなみに、無音です。
対局は3Fで行われています。
生で見たいと思っても、関係者以外は入れません。
僕は、まんざら関係がないこともないので、対局室に突入してみました。
真剣な検討が続いています。
日本棋院中部総本部1Fには、囲碁カフェ&レストラン 「UN-CHAIN(アンチェイン)」があります。
木曜日は、対局の終わった棋士が来ることが多いです。
対局の終わった棋士たちが検討してました。
左から、山本賢太郎五段、大澤健朗二段、下島陽平八段です。
大澤二段は、UN-CHAINのオーナーでもあります。
それにしてもこの男達、
「見た目が棋士っぽくない棋士選手権」
があれば、確実に上位を独占するでしょう。
結果は、このような紙に勝者が記帳します。
羽根VS清成戦は個室でしたが、多くの対局は大広間で行われます。
大広間で、最後に残っていた一局が終局しました。
中野寛也九段VS鶴田和志二段
激戦の熱が冷めやらぬまま、布石から振り返って検討しています。
結果はどうだったのでしょう?
再びUN-CHAINに戻ると、棋士が増えてる!
そして爽やか棋士下島陽平の、ゴリラっぽい瞬間を捉えてしまいました。
宮川史彦七段と伊藤庸二九段が検討の中心になっています。
文明の利器、アイパッドで検討。
そうこうしていると、鶴田二段が検討を終えて降りてきて、
「中野先生にどうやったら勝てるのでしょうか・・・」
とつぶやく。
彼は今年、中野九段と二回手合いで当たって、二回とも・・・・・・・だそうです。
ちなみに彼の今年の成績は九勝二敗。
全対局が終了した大広間。
プロ棋士たちが己の存在を懸けて戦った熱気が、まだ残っています。
先日の記事で重野二段が
「熱気ムンムン」
形容していましたが、大げさではありません。
入った瞬間に、明らかに空気が異質です。
揮発した血と汗と涙が飛散している感じがします。
未だ、その生態の大部分が謎とされているプロ棋士。
プロ棋士は、複数集まると碁の検討を行うという習性があります。
「勉強しなきゃ」 と思ってやってるわけではなく、習性なのです。
大勢で検討し始めると、終わらなくなります。
時に、飯を食うのも忘れて延々と検討し続けます。
誰かが「飯食いに行こうよ」と言っても、
大体シカトされて検討が続きます。
空腹にたまりかね、無理矢理ザーッと石を片付けても、
みんな頭の中でイメージできるので、平然と検討を続けます。
だったら飯食いながらでもできるじゃん・・・・・・
それが、プロ棋士です。
突然このようなリポートをしてみましたが、
いかがだったでしょうか?
以上、柳澤でした。